クチコミの広がりを加速するカンバセーショナルマーケティング【AMN 徳力基彦】(3)
- コストをかけるというよりも、どれだけ本気になっているかというところですね。

まずはその点だと思います。極論を言えば、本当にその会社がやっていること・製品が好きかどうかだと思います。
- 他の方にお話を伺ったときに、その方は親バカブログが良いとおっしゃっていました。商品・サービスに対して親バカになることがマーケティングとしては成功すると。
企業に対してこの話をすると、そんなブログを書くような能力を持った人間は社内にはいないという話になるのですが、実は意外と存在するんですよね。それほど大げさな組織が必要なわけではなく、一人でもそういう情報発信が好きな人がいて、その人が成果物としてたんたんと動画やテキストで情報発信をしていくのでも良いと思います。実際に海外の成功事例の一つに、マイクロソフトのChannel 9というプロモーションでロバート・スコーブル氏がビデオをまわしながら色々な部署に訪れて、担当者を前に出してマイクロソフトの悪の帝国というイメージを見事に拭い去った事例がありました。
大企業というのは、我々からすると顔が見えず、無機質な印象がありますが、その中で働く人間の顔が見えれば、その人のことは信じられたりすると思うんです。頑張っている人の顔を見ることができると、人は感動するということは結構当たり前なのに、今まではできていなかったのかなという感じがあります。
- 今度はもう少し御社のビジネスのお話を伺いたいのですが、現在影響力のあるブロガーを50名ほど組織化されているわけですが、その方たちはブロガー同士のつながりで広がっていったわけですか。
現状は公募を通じて自薦と他薦の両方でネットワークを広げています。応募に際して、月間ページビューが5万回以上見込める等、複数の条件がありますので、かなり厳しい条件設定になっております。
弊社のビジネスモデルはシンプルで、現状はブログネットワークという言葉で表現していますが、有力なブロガーにネットワークに参加してもらい、ブログの広告枠を販売しています。また、ブロガーにイベントに参加してもらったり、サンプルマーケティングにもチャレンジしています。イメージとしては、企業の広告キャンペーンのお手伝いをするインターネットの広告代理店というところです。
- 先ほど50名のネットワークがあり、審査も結構厳しいというお話がありましたが、皆さんに共通することはありますか。
ネットワークに参加する目的は様々だと思います。ブログから広告収入を得たいという人もいますし、ブログ界を盛り上げて行きたいという人たちも多いです。一つ言えることは皆さん自分の好きなテーマで、自分のためにブログを書いている人が多いということでしょうか。お金のためにブログを書くのは日本ではまだまだ成り立たないだろうし、そのためにブログを始めるとすぐ辛くなってくると思うんです。今だったら雑誌やニュースサイトにコラムを書いた方が文字数単位でのお金をもらえるので、ライターの人たちはなかなかブログに出てきてくれないですね。
もともと、ブログが続いている人たちはお金以外のメリットを実感しているので、続くのだと思います。ブログにはコミュニケーションツールという側面があるので、メールアドレスを持たない人にメールを送れないのと一緒で、ブログを持たない人とはブログ上の会話ができないのです。このような形で、お金を気にせずブログを続けていた人たちは、収入に一喜一憂せずに淡々とブログを続けているので、いつのまにかページビューが多くなっているという傾向にあると思います。
- そのような方たちから御社に対しての要望などがあると思うのですが、どのようなものがありますか。
もちろん、もっと広告をたくさん取ってきてという方もいらっしゃいますし(笑)、講演の調整の間に入って欲しいとか、ブログのデザインやシステム運営を頼みたいという依頼もあります。ブロガーにはブログを書くことに専念してもらって、その周りの面倒くさいことを我々が引き受ける事を期待している方が多いと思います。
また、広告に対する要求も厳しく、センスの無いものは受け付けたくないという声も多くあります。特に、企業からの記事広告の依頼に関してはやらせ記事はやらないと明言してあるので、記事広告であることを表記するようにしています。
ブログというのは、一度信頼を失ってしまうと、あっという間に人気も何もかも失ってしまうので、その辺はかなりセンシティブな世界だと思います。
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